HubSpotの管理画面を開くたびに、「今日は何から手をつければ…」と固まってしまう。設定項目が多すぎて、結局メールだけ確認して閉じてしまう。そんな経験はありませんか?
HubSpotは便利な反面、機能が多すぎて「結局どこから触ればいいかわからない」という声をよく聞きます。
必要なのは、“全部やろうとしない”割り切りです。この記事では、フリーランスがHubSpotを続けるための 最小構成 と逆に 触らないと決めるべき機能 をまとめます。
“全部やろうとするから続かない”という前提
始めに前提として、HubSpotの豊富な機能をたくさんマスターしよう、たくさん使わないと使いこなせないんじゃないかと思っているならそれは誤解です。
全部やろうとするから、「HubSpotはどう使えばいいかわからない」となってしまいます。
フリーランスがHubSpotでやるべき“最小セット”
ここからはフリーランスがHubSpotでやるべき最小セットをご紹介します。全てが、無料のHubSpot CRMだけで始めることができます。
顧客管理(コンタクト)
HubSpotでは顧客や見込み客など、すべての関わりある人の情報をコンタクトと呼びます。まずは顧客情報の管理から始めましょう。以下の記事で紹介しているようにメール連携をしておくと、ある顧客とのメールのやり取りがすべてXのタイムラインのように時系列に確認することができるようになります。
👉 顧客管理について詳しくはこちら
フリーランス向けCRM無料活用術|HubSpotで顧客管理と案件管理を一元化
商談管理(取引)
人の情報を入れるだけでは仕事を進めるには不十分です。人だけでなく、商談の情報も入れましょう。HubSpotでは商談のことを取引と呼びます。
ここでは、どのような案件か、納期はどれくらいか、予算はどれくらいか、意思決定者は誰かといった、商談を進める上で必ず必要になってくる情報を登録してきます。
そして、取引パイプラインという、商談のステータスを管理する機能を使うことで、今、引き合いはどれくらいあって、次のステップに進んでいるのはどれくらいかということも視覚的にわかりやすくなります。
👉 取引パイプラインについて詳しくはこちら
商談の流れを意識できていますか?フリーランス1年目の取引パイプライン活用術
タスク・リマインド
情報を入れることを進めたら、HubSpot CRMのタスク機能を使って少しずつToDoを管理してみましょう。誰かに連絡する、見積もりを作成するなど、仕事のタスクは、先ほど登録した人の情報=コンタクト、商談の情報=取引と関わりがあるはずです。CRMに紐づけてタスクを管理することで、「いつ・誰に・何をやる」が一目でわかるようになります。
また、タスクにはリマインド設定もできるので、HubSpotがあればタスク管理ツールも不要です。
👉 タスク機能について詳しくはこちら
HubSpotタスク機能の使い方|今日やることを見える化する3つのステップ
メールテンプレート
日々のメールにおいて、決まった定型文を毎日何通か送ったりしていませんか?そんなとき、HubSpot CRMにはメールのテンプレート機能が付いています。ちょっとしたことですが、上の3つの機能を使えるようになったら、徐々に時短機能も使っていくのがおすすめです。
あえて“やらない”と決めるべき機能
やるべき最小セットとは逆に、いくつかの機能はやらないと決めてみてください。以下に紹介する機能は、どれも使いこなせたら、例えばマーケティングオートメーション、業務の全自動化など、夢が広がります。
しかし、少なくとも半年くらいHubSpotに慣れて、最小セットが十分使えるようになってから利用することをおすすめします。
マーケティングメール
マーケティングメールは、HubSpotの強みであるマーケティングオートメーションを活かす中核機能です。しかし、フリーランスとして独立したばかりなど、顧客リストが少ないうちは、わざわざ使うメリットは大きくありません。むしろ、個別にメールを送った方が相手に響きます。
詳細レポート
有料プラン以上になると詳細レポート機能やカスタムレポート機能が使えますが、それらもはじめのうちはやめておきましょう。サイトのトラフィックなら、標準レポートやGoogleアナリティクスなど、他の無料ツールで賄えるものはそちらを併用してみましょう。
複雑なワークフロー
Professional以上の有料プランとなると、HubSpotの自動化ツールであるワークフローが使えるようになります。ワークフローでは多種多様な設定ができ、こだわれば本当になんでもできるくらい、とても拡張性の高い機能です。ただし、ワークフローを複雑にし過ぎると、そのメンテナンスにも時間がかかります。慣れないうちは手を出すべきではないし、シンプルな利用が一番です。
最小セットでも成果が出る理由
最小セットだけで良いの?と思われるかもしれませんが、次のような効果が見込めます。
- 行動の抜け漏れがゼロになる
→ タスクと取引が紐づくことで、「あの人に返信忘れてた!」がなくなる - 顧客の温度感がわかる
→メール連携でタイムラインを追えば、「先週提案した件、そろそろフォローのタイミングだな」と判断できる - 意思決定が速くなる
→パイプラインを見れば「今月の売上見込み」が一目でわかり、営業活動の優先順位をつけやすくなる
つまり、「いつ、誰と、何をやる」ということが明確になるので、余計な情報がなく迷いが少なくなり目の前の案件に集中できるようになります。
最低限運用を続けるためのルーティン例
HubSpotでやるべき最小セットを、まずは日々のルーティンにしてしまいましょう。
最低限続けるための1日5分ルーティン
- 朝:今日のタスクを3つだけ確認
- 昼:新しい連絡があればコンタクトにメモ
- 夕方:1件だけ取引(商談)のステージを更新
週1回のルーティン(15分)
- 取引パイプラインを確認し、停滞している案件をチェック、ステータスを更新
- 来週のタスクを登録
まとめ
HubSpotを使いこなすコツは、「使わない機能を決める勇気」です。
まずはこの4つだけに集中しましょう:
- コンタクト(顧客情報)
- 取引(商談管理)
- タスク(やることリスト)
- メールテンプレート(定型文の時短)
これだけでも、「誰と、どんな話をしていて、次に何をすべきか」がスッキリ見えるようになり、日々の迷いが激減します。慣れてきたら、少しずつ機能を広げていけばOK。小さく始めて、長く続ける。それがフリーランスのHubSpot活用の鉄則です。

