フリーランスや少人数チームがHubSpotを導入すると、「結局使いこなせないんじゃ…?」「1人でCRMって大げさ?」 と感じる人は少なくありません。
実は、私自身もそうでした。
しかし、実際に使い続けてみると HubSpotは“1人チームの強化ツール”そのもの でした。この記事では、その理由と無理なく始めるための使い方を紹介します。
まず結論:相性は“めちゃくちゃ良い”が、使い方次第
まず結論。私の実感として、HubSpotはフリーランスや少人数チームと相性がとても良いと思います。ただし、使い方次第という注釈付きです。
1人チームならではの課題(全部1人で抱える問題)
フリーランスや個人事業主では、とにかく全てを1人でこなさなければなりません。すなわち、チームや組織で分担できない次のような課題があります。
顧客管理の抜け漏れ
顧客が多くなってくるのは喜ばしいことですが、組織で言えば営業アシスタントやチームリーダーのような存在はおらず、顧客リストの取りまとめや顧客とのやり取りを代わりにやってくれる人はいません。数が少ないうちはまだ良いものの、多くなるにつれ管理上の抜け漏れが発生しやすくなります。
タスクが頭の中に溜まりがち
特に個人で事業を行っていると、事業そのものの他に、確定申告や経費処理など、さまざまな雑務を1人でやっていかなければなりません。しかし本来の事業も当然優先しなければならず、それらのタスクはどうしても後回しになり、やらないければならないタスクがどんどん頭の中に溜まっていってしまいます。
返信待ち・対応待ちの管理がストレス
顧客・見込み客・パートナー会社とのやり取り、事務処理のやり取り(コピー用紙の注文とか収入印紙の用意とか本当に多種多様な雑務…)、どれも残念ながら自分がボールを投げても向こうから返ってくるまでどうしても待ちの時間が発生します。重要度、緊急度が異なる色々なことで待ちの状態が生まれるので、慣れるまではかなりストレスです。
数字を振り返る習慣が作れない
1人で事業を行うならば、必ず数字が必要です。売り上げ、経費、どれも確実にしなければ生活が成り立たなくなってしまいます。それでも上記の対応に追われて、数字=今月の総売上、受注数、問い合わせ数などを振り返ることが後回しになって、結局月末に慌てて確認となり、なかなか振り返る習慣が作れません。
HubSpotが1人チームを支える理由
結局、これらの課題は、すべてのタスクを1人でこなさなければならないことからきています。そんな1人チームにとってHubSpotはどのように支えてくれるのでしょうか?
顧客管理が一元化される
顧客情報の管理は、HubSpotにとっても最も得意なことの一つ。顧客が多くないからといって、必要な情報は一元的に管理せず色々なメモにバラバラになっていると抜け漏れが絶対出てきます。
顧客管理をエクセルやスプレッドシートでやっていくことはできますが、細かな整理は大変だし、常にカスタマイズしていかなければなりません。
そのような時に、顧客情報を管理するのに適したツールがCRMですが、HubSpotは無料でCRM機能を使うことができます。
HubSpotは多機能なのにCRMが無料で使えて情報を一元的に管理できること。1人チームでも事業をするならば、これが最もHubSpotと1人チームの相性が良いと考える理由です。もし事業が伸びてチームが増えても、自然にチームで使えるツールになっていきます。
👉 CRM機能について詳しくはこちら
フリーランス向けCRM無料活用術|HubSpotで顧客管理と案件管理を一元化
タスクの自動化で“脳の容量”を空けられる
さらに、HubSpotにはタスク機能がついています。ほとんどのタスクは顧客やパートナー会社など、人に紐づいているか、案件に紐づいているはずです。HubSpotでは、CRMに蓄積した顧客に対してタスクを作成する仕組みになっているので、仕事を進める中で自然とタスクを作っていくことができます。
👉 タスク機能について詳しくはこちら
HubSpotタスク機能の使い方|今日やることを見える化する3つのステップ
とはいえ、先に挙げたような雑務まで含めて全部をHubSpotに放り込むと逆にゴチャゴチャしてしまいますので、事業に関するタスクのみを管理するようにしましょう。
後回しにしていた分析が自動で進む
HubSpotの無料版にはレポート・ダッシュボード機能がついています。例えば、お問い合わせ数や受注、売上高など、主要な指標は標準のレポート・ダッシュボードがあるので、数回ボタンを押すだけで、確認したい指標のレポートが作れます。無料のCRMで、ここまで機能が網羅されているのはなかなかありません。
👉 ダッシュボード機能について詳しくはこちら
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無理なく始める“1人チーム向けHubSpot初期セット”
HubSpotが1人チームと相性が良い理由を紹介してきました。それでもHubSpotをいきなり使い始めると、その多機能さに圧倒されてしまいます。ここからは、無理なく始めるためのポイントを紹介します。
まずはこの4つから始めよう
たくさんの機能があるHubSpotですが、まずは次の4つから始めてみましょう。それぞれの手順は以下に詳しく書いています。
忙しいフリーランスがHubSpotで最初にやるべき4つのこと
- メール連携でやり取りを一元化
お使いのメールアカウント(GmailやOutlook)をHubSpotと連携しましょう。こうすることで、メールのやり取りが、個人ごとにひとまとまりで確認できるようになります。 - 自分のウェブサイトにお問い合わせフォームを埋め込み
自分のポートフォリオサイトや自社サイトを持っている場合は、HubSpotでフォーム機能でフォームを作成し、ウェブサイトにお問い合わせフォームを埋め込みましょう。これにより、フォーム経由のお問い合わせが自動でHubSpotに登録され、スムーズにHubSpotによる管理を始めることができます。 - メールテンプレートを作成
定型文、定型メールをテンプレートとしてHubSpotに登録してしまいましょう。時間短縮だけでなく、ミスの防止にもつながります。 - 案件(取引)を管理する
「顧客、見込み客=人」だけでなく、案件もCRMに登録することができます。余裕があれば、案件情報(HubSpotでは取引と言います)も登録し管理していきましょう。受注金額、売上高などを登録しておけば、自動で売り上げレポートが完成します。
三日坊主にならない運用のコツ
上で述べた4つの機能をまずは使ってみて、顧客とのやり取り、案件の管理をHubSpotで始めてみてください。
しかし、これはどうだろう、これも試してみようと、あまりにも多くのことをやろうとすると、圧倒されて手をつけるのが億劫になってしまいます。
初めのうちは、これらの機能以外は何かあるなあと見るくらいで、徐々にやることを増やしていきましょう。初めから多くのことをやってしまうと決して続きません。絶対にできるというラインから始めるのが三日坊主にならないコツです。
まとめ:HubSpotは“人的リソースの代わり”になる
「1人でHubSpotは大げさかな?」と感じるのは自然です。しかし、顧客管理・タスク管理・数字の可視化を すべて1つのツールで整えられるメリットは、1人チームこそ強く感じられます。
小さく試し、必要なところだけ取り入れればOK。HubSpotはあなたの働き方を“無理なく強化する”道具です。「自分のケースだとどう始めれば?」という疑問も気軽にご相談ください。

