「顧客管理を続けられない」という相談は、フリーランスや少人数のチームでは特によく聞きます。続かない理由の多くは、頑張りすぎる設計 にあります。
HubSpotは“ゆるく運用する”ことでこそ続けることができます。この記事では、頑張らなくても運用できる仕組みづくりを紹介します。
なぜ顧客管理は続かないのか?(心理的ハードル)
顧客管理が続かない・苦手だと感じる原因の多くは、「完璧にやろう」という心理から来ていることが多いです。例えば、フリーランスとして独立する前に所属していた企業ではしっかりやっていたとか、他の人はちゃんとやってそうとか、周りを見るとみんなしっかりやっていそうで、「やるならちゃんとやらなきゃ」「どうせできてない」という気持ちになってしまうことがあります。
でも、どんなことも最初は完璧にはできません。そして、完璧にやることが管理ではありません。最初はゆるく続けて、続けることに徐々に慣れていき、最終的に理想の管理をしていけばいいんです。
まずは自分自身に課している、ちゃんとやらなきゃという心理的ハードルを下げましょう。
「ゆるく続ける」ための3原則
私が考える、顧客管理を「ゆるく」続けるための原則を紹介します。
全部を管理しようとしない
いきなりあれもこれも管理しようとすると続けられなくなります。全部を管理しようとすると、たまたまどれか一つが出来なくなった時に、「もういいや」となって結局全部が管理できなくなってしまいます。
これを防ぐために、まずは1つだけの情報、慣れてきたらもう1つと、段階的に進めていきましょう。そして、これ以上は大変だなと思ったら、できる範囲まで戻れば良いのです。
NG:最初から、顧客の情報も商談の情報も全て登録しよう
OK:最初の2週間は顧客情報だけを登録する
完璧な入力を目指さない
例えば、顧客のAさんの会社情報は豊富に見つかるけど、Bさんの会社はあまり載っていない。次の打ち合わせで確認しなきゃ……というのはかなり大変です。
HubSpotにも標準でたくさんの入力項目がありますが、顧客管理で完璧な入力を目指すのはあまり意味がありません。
とはいえ、商談を進める上では必ず必要になる情報というのはあります。なので、最低限必要な項目を事前に決めて、それだけを入力するというルールにすることで、仕事の進行に差し障りなく、ゆるく情報を入れていくことができます。
毎日の“5分だけ習慣”に落とす
毎日5分だけの習慣に落とし込んでしまいます。管理、というと堅苦しいですが、毎日5分だけHubSpotを触って内容をチェックする、くらいのゆるいイメージで捉え直し、それを習慣にしてしまいましょう。
HubSpotでゆるく続ける日常運用
実際にHubSpot CRMを使ったゆるく運用するための方法を紹介します。
最低限の入力項目にする
原則として紹介したように、初めは最小限の入力項目、最低限の管理項目とすることをおすすめします。
例えばHubSpotの顧客情報(=コンタクト)には、メールアドレス、電話番号、会社名などの基本情報に加えて、例えば以下のようなルールが考えられます。
- フォームからのお問い合わせ→お問い合わせ情報や、簡単な課題感
- 「ライフサイクルステージ」や「リードステータス」など、ステータス項目がデフォルトでいくつかあるが、1つのみにする。もしくは、ステータス管理は商談でやると決める
- コンタクト担当者だけは、少人数やフリーランスでも設定しておく。担当者に通知できたり、便利機能が使えるため
そして、商談情報(=取引)も、最低限の管理項目を決めます。参考になるのが、営業におけるヒアリングのフレームワークとして、「BANT」というものがあります。
- B・・・Budget=顧客が予定している製品・サービスの予算
- A・・・Authority=決裁権。購入を最終決定する人は誰か
- N・・・Needs=顧客のニーズ。何を、どのように解決したいのか
- T・・・Timeframe=購入予定時期。購入時期はいつを想定しているのか
難しそうに聞こえますが、要は「予算・決裁者・ニーズ・時期」という、 商談で自然と確認することばかりです。取引に入力する項目は上記+α程度で良いと決めておくと、心理的なハードルを下げられます。
最低限続けるための1日5分ルーティンを作る
朝・昼・夕方に少しだけHubSpotをチェックするというくらいなら、毎日の習慣としても始めやすいかなと思います。
- 朝:今日のタスクを3つだけ確認
- 昼:新しい連絡があればコンタクトにメモ
- 夕方:1件だけ取引(商談)のステージを更新
また、以下の記事では続けられるHubSpot CRMの最小セットを紹介していますので、興味があればこちらもご覧ください。
フリーランスがHubSpotを“続けられる”最小セット|無料CRMで迷わず使う方法
まとめ:ゆるく始めて、ゆるく続ける
HubSpotは「きっちり運用しないといけない」ものではありません。完璧を目指さず、毎日5分だけの習慣から始める。それだけで、顧客管理は驚くほど続けやすくなります。
今日から始められる最初の一歩:
- 明日の朝、HubSpotを開いて今日のタスクを3つだけ確認する
- 「これだけは入れる」という項目を1つだけ決める
ゆるく始めて、ゆるく続ける。それが、一人でも続けられる顧客管理の秘訣です。
HubSpotの運用で「これでいいのかな?」と迷ったら、お気軽にご相談ください。あなたに合ったゆるく続けられる運用方法を一緒に考えます。
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