「Notionでも顧客管理できるって聞いたけど、HubSpotとどう違うの?」「どちらを選べばいいか迷っている」——この記事はそういった疑問を持つフリーランスや小規模事業者の方向けに書いています。
両方を実際に使ってきた経験から、CRMという視点に絞って比較します。どちらが優れているかではなく、どちらがあなたの用途にフィットするかという観点でまとめました。
まず押さえておきたい:2つのツールは「生まれた目的」が違う
最初に理解しておきたいのは、HubSpotとNotion、この2つはそもそも目的がまったく異なるツールであるということです。
HubSpotは最初からCRMとして、すなわち顧客・商談・やり取りの履歴を一元的に管理するためのツールとして設計されています。顧客情報の管理、案件の進捗管理、メールの追跡といった機能が最初から組み込まれており、CRMとしての型が最初からあります。
一方、Notionは「オールインワンワークスペース」として誕生しました。ドキュメント作成からタスク管理、ナレッジベース構築まで、あらゆる業務を一つのツールで完結させることを目指しています。CRM機能も実現できますが、あくまでNotionの柔軟性を活かして自分で作り上げるものです。
この根本的な違いが、日々の業務における使い勝手に大きく影響してきます。
Notionは”何でもできる”からこそ、最初の準備が重い
Notionの最大の魅力は、自由度の高さにあります。顧客管理のデータベースも、タスク管理も、議事録も、アイデアメモも、ほぼすべての情報をNotionひとつにまとめることができます。
ただし、その自由度はそのまま自分で設計する必要があるということでもあります。
NotionでCRMをゼロから作ろうとすると、
- どんなプロパティ(列)を設定するか
- 顧客と案件をどうリレーションさせるか
- ビューをどう設計するか
といった設計作業がまず必要になります。
「テンプレートギャラリーを使えばいいのでは?」と思われるかもしれません。確かにNotionには豊富なテンプレートが用意されており、CRM用のものも多数あります。
でも、実際に探してみると・・・テンプレートを探し始めると30分、1時間があっという間に過ぎていたという経験はないでしょうか?
私自身、「これがいいかな、でもこっちの方が…」とギャラリーを漁っているうちに時間だけがどんどん溶けていって、結局「なんとなくこれでいいか」と無難なテンプレートで始めて、しばらく経ってから「これ本当に自分の使い方に合ってるのかな」とモヤモヤを感じながら使い続けるというのをよくやってしまいます。
Notionのカスタマイズ性は、自分の型がすでに決まっている人には最高の武器になります。
- こういうふうに管理したい
- この情報とこの情報を繋げたい
- 自分好みのビューを作りたい
といったイメージが明確で、それを設計・実装人には向いています。
しかし、「まず顧客管理を始めたい」「動かしながら覚えたい」という方にとってはこの最初の設計コストが思っているより重いです。
ツールを整えることが目的になってしまうと、本来やるべき顧客管理がいつまでも始まらない。そんな落とし穴にはまりやすいのがNotionの特性でもあります。
HubSpotは「型」が最初から用意されている
一方のHubSpotは、CRMとして必要な「型」がすでに用意されています。
アカウントを作成したその瞬間から、「コンタクト(顧客情報)」「会社」「取引(商談)」という管理の基本構造がそのまま使える状態になっています。顧客を登録して取引を作ってステージを進める。この一連の流れが自分で設計しなくても最初から動きます。
特に、以下の機能は無料版でもすぐに使えて使いやすい機能です。
- コンタクト管理:顧客の基本情報、過去のやり取り履歴を一元管理
- 取引(商談)管理:取引の進捗状況を可視化するパイプライン
- メール連携:Gmailなどと連携し、送受信履歴を自動記録
- タスク管理:顧客ごとのフォローアップタスクを設定
- レポート機能:営業活動の成果を数値で可視化
フリーランスとして活動していると、管理ツールを作ることに時間を使いたいわけではありません。ツールを使って顧客管理をすることに集中したいはずです。 HubSpotはその点で、余計な準備なくすぐに動き始めることができます。
CRMとして比べると、差がはっきり出る3つのポイント
実際に両方を使ってみると、顧客管理の用途では3つの点で明確な差を感じやすいです。
① 顧客情報と商談が最初からリンクしているか
HubSpotでは、顧客(コンタクト)・会社・商談が最初からリレーションして管理されています。「この人からの問い合わせは今どのステージにあるか」が、1クリックで確認できます。
Notionでももちろんこれは再現できますが、
- 顧客データベース
- 案件データベース
- データベース間のリレーション
- ロールアップ
- ビュー設計
などなどを自分で汲む必要があります。これらの設計の手間と慣れるまでの操作しにくさが残ります。
② 商談の進捗管理のしやすさ
HubSpotのパイプラインは、カード形式でドラッグ&ドロップすれば進捗を更新できます。
- 今何件が商談中か
- どのステージで止まっているか
- 今月の見込み案件はどれか
といったことが一目でわかります。
Notionでも、カンバンビューを使えば近いことはできます。ただし、ビューの設定や表示条件を自分で作る必要があります。
また、HubSpotでは上位の有料プランになると今度な分析、AI活用などもできるようになりますが、商談の見える化、漏れ防止などの用途であれば無料版でも十分に力を発揮します。
③ メール・コミュニケーション履歴の自動管理
HubSpotはGmailやOutlookと連携することで、顧客とのメールのやりとりが自動で履歴として残ります。
- 誰にいつ何を連絡したか
- 過去のやり取り
- 連絡の流れ
が顧客情報と一緒に見やすくなります。送ったメールが開封されたか、リンクがクリックされたかもリアルタイムで把握できるため、適切なタイミングでフォローアップできます。
一方でNotionはあくまでデータベースツールなので、Notionだけではメールの履歴を自動で蓄積することは難しいです。たとえば、Notion APIやZapierなどのツールを使って連携する仕組みを作ることはできますが、自然に使えると言う点ではHubSpotの方が強いです。
顧客管理の肝となるこの3点でHubSpotはすでに仕組みとして動くのに対して、Notionは自分で仕組みを作る必要があります。どちらが良い・悪いではなく、「仕組みを作りたいか、すぐに使いたいか」という違いです。
ただし、プロジェクト管理ならNotionが圧倒的に強い
ここまでCRMの観点でHubSpotを推してきましたが、すべての用途でHubSpotが上というわけではありません。
プロジェクト管理・タスク管理の領域では、Notionが圧倒的に強いです。
たとえば、こんな使い方をしたい場合はNotionの出番です。
- タイムライン(ガントチャート風)で案件の進行をみたい
- 細かいタスクを「大プロジェクト→中タスク→小タスク」と階層構造で管理したい
- チームメンバーと共同編集しながら進捗を共有したい
- 議事録・提案書のドキュメントと、タスクを同じ空間で管理したい
こういった用途ではHubSpotは向いていません。HubSpotにもタスク機能はありますが、これはあくまで「顧客対応」や「商談」に紐づくタスクを管理するためのものです。細かなプロジェクト管理のためのガントチャートや、複雑なタスクの依存関係を扱うことには向いていません。
AsanaやBacklogといった専用のプロジェクト管理ツールと比べても、無料プランのNotionで十分対応できるケースはかなり多いと感じます。フリーランスや少人数のチームであれば、有料ツールを導入しなくてもNotionで事足りることがほとんどでしょう。
まとめ:CRMはHubSpot、プロジェクト管理はNotionがおすすめ
HubSpotとNotionのどちらが便利かは、何を管理したいかで決まります。
| やりたいこと | おすすめ |
|---|---|
| 顧客・取引先の情報管理 | HubSpot ✅ |
| 商談・受注の進捗管理 | HubSpot ✅ |
| メール・やりとりの履歴管理 | HubSpot ✅ |
| プロジェクトのタスク管理 | Notion ✅ |
| ガントチャートで進捗確認 | Notion ✅ |
| 議事録・ドキュメントと業務の統合管理 | Notion ✅ |
「CRMはHubSpot、プロジェクト管理はNotion」という使い分けが、効率のいい組み合わせだと思います。 ツールをひとつに絞ることよりも、それぞれの得意領域で使うことを優先したほうが、日々の業務はずっとシンプルになります。どちらも無料版が非常に充実しているので、コスト面でもハードルは低いです。
まずは「今、一番管理できていないのは何か」を考えてみると、どちらから始めるべきかが自然に見えてくると思います。顧客・案件の管理から手をつけたい方は、まずHubSpotの無料プランを試してみてください。アカウント登録から数分で、顧客情報を入れ始めることができます。
「自分の場合はHubSpotとNotion、どっちをどう使い分けるのが合うんだろう?」
そんな方向けに、フリーランス・小規模事業者向けの顧客管理の整理相談もやっています。
- 今の管理方法の棚卸し
- HubSpot / Notion / スプレッドシートのどれが合うか
- 最初に作るべき最低限の管理項目
といったことを一緒に整理します。お気軽にご相談ください。
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